2ntブログ

『アンドロメダな朝』美少女とご主人様の愛の物語・毎日過激に更新中 

【絶対R18】愛故に奴隷になった美少女と愛する者を責め苛まずにはいられない男の愛の行方は。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

☆ その44=肌が求めた。

「奴麗へ。
  出張の為に先に部屋を出るが、ホテルは夕方まで取ってある。 おまえは、ゆっくり 休日を過ごせば良い。
  尻は痛むか。酷い事をしたとは思うが、反省も後悔もしていない。 あれが、私の望 んでいた形なのだ。 おまえが訴えると謂うのなら、訴えれば良い。 おまえがそう思うなら、確かに強姦傷害罪であることは免れない事をしたのだから。
  おまえの寝顔は、安らかで綺麗だった。
  きっと、また直ぐに逢いたく為りそうだ。 そしてまた、酷い事をするだろう。
  おまえが、奴麗で居てくれることを望んでいる。
  傷薬を置いておいた。 よく、塗っておきなさい。」

 涙が頬を濡らしていた。 冷たいものでは無かった。 

『また虐めてください。 咲織は奴麗で居ます。』

 ベットに腰掛けると尻が痛んだ。 何故かその痛みが愛くて、嬉しくさえあった。 肌が三宅を覚えている。 躯に三宅が刻まれた。 その切なく甘ったるい余韻に浸りながら、ゆっくりと朝食を愉しんだ。

 囚われ者の幸福感は、月曜の朝にも続いていた。 浮き浮きした気分で、出社して来た細木副社長と男性秘書の沢木にコーヒーを煎れた。 沢木と一日のスケジュールを確認し、指示された文書の作成やネットワークを使った調査事務にあたる。 三宅と過ごした嵐の様な夜の後でも日常を迎え、日常の中で普通に働ける事が不思議だった。 三宅との出来事が頭の片隅にどっかりと存在しているのを知りながらも、それを意識に上らせる事無く日常に身を置いて居られた。 時は知らぬ間に過ぎていった。

 尻の傷が癒えるのに歩調をあわせ、魔法が解けて往くように寂しさが訪れて来る。 職場に居る時には忘れた振りをして居られても、マンションで一人になると謂い知れぬ寂しさが闇の様に舞い降りる。 咲織は闇の底に沈んでいく。

 父が愛用した焦げ茶の大きなソファーに身を預け、オットマンに脚を委ねた。 そうすれば、咲織はいつも安らぐ事が出来た筈だった。

 壁際に置かれたローズウッドのデスクに幼い咲織を抱えた父の写真が立てられている。父は生前、頻繁な出張に便利だからと東京駅に程近いこのマンションを買って、週の大半を此処で過ごした。 事業は順調に拡大していたが、その分咲織は父との時間を奪われた。父の死後、咲織は母を鎌倉に残してこのマンションに移った。 そして、父を感じられる此処で少しでも長く過ごして居られるようにと進学を止めて、今の商社に就職した。 商社は父が会社を興す前に勤めていた会社でもあった。 

 研修で気落ちする事があっても、此処に身を置けば忘れる事が出来た。 それが今は却って一人である事を思い知らせる牢獄にさえ感じられる。 肌は三宅を覚えていても、今ここにはいない。 嵐の中を行く昂ぶりを知った今、何も起きない静かな時間は闇だった。

 普段は落ち着く茶と黒で統一された室内も、父の趣味が色濃く残る調度や壁の絵画も咲織の孤独を強めるばかりだった。 咲織の瞳に映っている背の高いワーキングチェアの上に父の姿は無かった。 咲織は三宅の携帯番号も知らなかった。 窓の外では、濃紺の夜の中に宝石箱をひっくり返した様な都会の灯りが、咲織とは関わりなく瞬いている。 咲織は三宅から勧められた本を読み返した。 人格を無視され、過酷に玩ばれ続ける主人公に憧れる自分を見つけた。

『欲しいです。 ご主人様の証が。 この躯を永遠に苛む消えることの無い確かな証が。 どうか、私に標しをください。』

 咲織は胸を強く抱きしめ、震えるのを堪えた。 肌が三宅の肌を求めた。 肉が三宅が呉れた鞭の痛みにさえ恋い焦がれた。 夜は余りに静かで、長かった。
  
 ピンクの兎がディスプレーに現れたのは、十日も経った夕方だった。
「週末を空けて置くように。」
 素っ気無い文字に込められた意味に胸がときめいた。

☆ ↓ 是非、愛のクリックをお願いします。 

     にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説へ

関連記事

PageTop