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『アンドロメダな朝』美少女とご主人様の愛の物語・毎日過激に更新中 

【絶対R18】愛故に奴隷になった美少女と愛する者を責め苛まずにはいられない男の愛の行方は。

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☆ その1534=羞恥。 

『判ったの? 私が思い出した事を。 羞ずかしい。 でも、この人は私の事を考えてくれている。 こんな私のことを。 でなければ、気付かない筈だから。』

 咲織が無理に作った笑顔の頬を涙が一つ落ちていった。

「ごめん。 本当に。 本当は来たくなかった。 忘れようとも思った。 でも、どうしても忘れられなかった。 来ないではいられなかった。 確かめずには居られなかった。 君が本当にあの男を好きなのか。 君はどんな女の子なのか。 本当にごめん。 女々しいよな、こんな奴。 たった一度会っただけなのに、会社まで押し掛けて。 どうかしてる。 許してとは言えないけど、謝るよ。 もう、帰った方がいいね。 そして、二度と君の前には現れないから。 安心して。 一真は君の事は全く知らないし。 本当にごめん。」 
 慎二はくるりと体を翻した。
「いやっ。 このまま一人にしないで。」
 寂しげに小さくなった慎二の背に咲織は小さな声で叫んだ。 そのジャケットの裾を掴んでいた。 振り向いた慎二を咲織は大きな瞳に捨てられた子猫の憂いを浮かべて見あげた。  

 固まった二人を通行人が冷たい視線を浴びせながら無表情に通り過ぎていく。 
「とにかく店に入ろう。 近くでいいお店知ってる?」
 慎二はほっと顔を和ませた。
「このビルの上の方がレストラン街だから。 そこでもいいですか。」

「このビルのレストラン街って高そうだけど。」
 慎二ははにかみを浮かべて、言い淀んだ。
「大丈夫です。 私、これでも働いてますから。 私に奢らせてください。」
 咲織は晴れやかな笑みを浮かべた。 

「いいのかな。 でも、じゃあ。」
「はいっ。」

 勝手を知っている咲織の方が少し前を歩いていた。 咲織は自分が人をリードしている事に不思議な軽やかさを感じた。 二人は何も話せずに歩いた。 二人きりのエレベータの中でも沈黙は続いた。 それでも、その沈黙は棘の生えた荊では無く、どこか木洩れ日の優しさを持っていた。 

「中華でいいですか。」
「うん。」
 そう言いながら、店の前に置かれたメニューの値段を見て困った様子を見せている慎二の顔に、咲織は心の中で微笑んだ。

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