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『アンドロメダな朝』美少女とご主人様の愛の物語・毎日過激に更新中 

【絶対R18】愛故に奴隷になった美少女と愛する者を責め苛まずにはいられない男の愛の行方は。

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☆ その1532=私って変?

 いつもなら階下のショッピングセンターの喧騒が昇ってくるエスカレータも今は沈黙を守っていた。 その沈黙が、青年の後を追う咲織を三宅の失くしたスーツのボタンをここで見つけたあの時に引き戻す。 今と同じ薄暗がりのがらんとした空間の中で、青いボタンが輝いて見えた。 それを見つけた時、垂れこめた沈黙を歓びに踊る鼓動が高らかに鳴ったのを咲織の細胞が思い出す。 

『ここでボタンを見つけた。 あの時から、咲織は随分変わってしまったけど、ご主人様を思う気持ちは変わっていない。 それだけは。 今も、ご主人様を思うと胸が締め付けられる。 甘い蜜の中で溺れそうになる。 良かった。 あの時ボタンを見つけられて。 咲織はずっと、これからも。』

 先を振り返りもせずに進む青年の後を追いながら、咲織の脳裏に浮かぶものは三宅への思いばかりだった。 青年が一体何をしに来たのか、何処へ連れて行こうとしているのか、そもそもどうして咲織の職場を知ったのか、と言う当たり前の疑問すら思い浮かばなかった。
 
 ショッピングセンターの灯りが消えて何処か侘しさが漂う通路の先から、地下鉄乗り場の光が眩しく零れている。 駅特有の騒めきに気押される様に咲織の青年を追う歩みが遅くなった。 

「どうしたの?」
 青年は足を止め、生真面目な顔で振り返った。
「いえ、何でも。」
 咲織は青年に並ぶと、先を促す様に歩き始めた。

「何が好き?」
「えっ、好きって?」

「料理だよ。 これから晩飯食べに行くんだろ。」
「あぁ、特に好きな料理は無いです。 嫌いな料理も。」

「いつもは何を?」
「そこのデリが開いてれば、適当に買って。」

「今日はどう言う予定だったの?」
「何も考えてませんでした。」 

「何も? 普通夕方には今日は何食べようか考えない?」
「普通そうなんですか?」   

「普通はそうだよ。 おかしいよ、絶対。 絶対、変だよ。」
 青年は初めて笑顔を見せた。
「私、変?」
 その白い歯に釣られる様に、咲織も思わず笑みを浮かべていた。 そして、その笑みはすぐにふっと消えた。

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