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『アンドロメダな朝』美少女とご主人様の愛の物語・毎日過激に更新中 

【絶対R18】愛故に奴隷になった美少女と愛する者を責め苛まずにはいられない男の愛の行方は。

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☆ その1946=狩人。

「まだ落ち着きませんか。」
 飯田はすっと咲織の前に腰かけ、テーブルに置いた珈琲を勧めた。 咲織は何か言おうとして果たせず、ただ黙って珈琲カップを手にした。 珈琲の香りにも心はぞわぞわと尖ったさざ波を立てたままだった。 ふと、鳥肌を立てて無いかと手を見た。

「暫くお会いしない裡に、大人になられた感じですね。 こういう商売をしているから、女性の顔には敏感なんです。 初めてお会いした時にはお人形の様な可愛らしさだけが目立っていたのが、今はゾクっとする様な研ぎ澄まされた女の色香が際立ってきていてる。 商売柄、女性を前にするのは一樹なんかより遥かに慣れている筈なのに、今、咲織さんを前にして本当にどきまぎしてますよ。 どうしていいか判らない。 こんな感覚は初めてだ。 いや、20年ぶりかな。」
 飯田は口に持っていった珈琲を飲むのも忘れたかのようにそのままテーブルに戻して、子供っぽく笑った。 

「20年前?」
 沈黙が苦しくて、咲織は飯田の話に縋った。
「ええ、まだ僕も一樹も高校生だった頃です。 通学電車で良く顔を見た女子大生がやはり咲織さんの様な雰囲気を持っていた。 清楚で愛らしく、近づくのもためらわれる様な美しさだった。 それでいて心を持っていかれる様な色気を発していた。 大人だった。 僕なんかただ見ているしか出来無かったですけどね。 ずっと忘れていたのに、今思い出しました。 間違いなく大人になった咲織さんを見ていて。 僕が心を奪われたのを見て、一樹はふんと鼻で嗤っていたが、本当は一樹も一瞥で心を鷲掴みにされていたと思いますよ。 一度満員電車でその人とくっつきそうになって、一樹の奴かちこちになってましたからね。」
 遠い眼で昔話をしながら飯田の雰囲気が和らいだ。 咲織はようやく珈琲を口にした。 

「ご主人様の初恋の人ですか?」
 遠い昔の人とは言え、嫉妬がちくりと咲織の胸を刺していた。
「いや、あいつは否定するだろうな。 だけど間違いなくあいつも惚れてたと思いますよ。 僕が幾ら彼女の話をしても、頑なに乗って来なかったから。」

「本当に興味が無かったんじゃないですか。」
「それは無いですね。 他の女の子についてなら乗ってきたんですよ。 幾ら恰好付けてても、僕と一緒に批評し合っていたから。 青臭い時代ですからね、変に格好つけたがるんです。 好きだと自分でも認めたくないところがあったりする。 男って可愛いですよ。 本当に好きな子の前ではまるで案山子になってしまう。 僕も今、咲織さんと二人きりで、どうしていいか判らなくなっている。」
 飯田ははにかんだ表情を見せた。 それに釣られて、咲織は初めて微かに笑みを浮かべた。 

「初めて笑ってくれましたね。 ほんとに愛らしい笑顔だ。 ずっとその笑顔を見ていたくなります。」
 飯田の言葉に咲織はほんのり頬を染めた。 凍て付いていた躯がふわりと和らいだ。

「でもね。」
 飯田は珈琲を啜ると、ぎくりとする残忍な狩人の貌を見せて言葉を継いだ。

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