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『アンドロメダな朝』美少女とご主人様の愛の物語・毎日過激に更新中 

【絶対R18】愛故に奴隷になった美少女と愛する者を責め苛まずにはいられない男の愛の行方は。

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☆ 美沙の凄春その3=小骨。

 まだ春と言うには肌寒さの残る日だった。 
演奏し終わると美沙はフルートから口を離す前に町野の顔色を窺っていた。 自分でも意識しない瞳の動きだった。 町野の優しい目尻の皺がふーっと濃くなり、顔全体に嬉しそうな笑みが拡がった。 自ら演奏したフィオーレ「シチリアーナ」の甘く柔らかな旋律に満たされた美沙の心に町野の笑みが沁み込んでくる。

『良かった。 先生に歓んで頂けた。』
 美沙は陽射しを受けて輝くフルートを顔から下ろし、濃桃色の唇をふわりと綻ばせた。 漆黒のショートヘアを軽やかに揺らして深々と頭と下げると、それが合図だった様に教室の空気が学生達の拍手に揺れた。

 町野もピアノの前で立ち上がり、自然な拍手を送っている。
「凄く良かったよ。 今の演奏なら、上級生に混じって、モーニング・コンサートに出ても可笑しくない。 ただちょっと気になる点があった。 後で私の部屋に来てください。」
 伴奏のお礼に近づいた美沙に町野は穏やかにそう告げると、美沙の返事を待たずに次の学生に演奏を促していた。

『気になる事って何かしら。 何処もミスはしなかった筈。 何か曲の解釈に問題でもあったのかしら。』
 町野の言葉が小骨の様に胸に引っ掛かり、聴かなくてはと思いながらも他の学生の演奏は美沙の耳をただ通り抜けていた。

「今日の演奏は本当に良かった。 シチリアの陽光あふれる穏やかな春が感じられた。」
 町野は教授室の応接セットで畏まる美沙に静かに話し始めた。
「でも、先程先生は気になる点があると仰いましたが。」
 町野の笑顔にほっと心を和ませた美沙の口から聞きたかった質問がすんなりと出た。

「あぁ、大したことではないんだが。 山野君は好きな人はいますか。」
 町野は一瞬躊躇った後に軽やかに聞いてきた。

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